第2回:家族を困らせないために。今日から始めるデジタル遺品整理

第2回 家族を困らせないために。今日から始めるデジタル遺品整理

前回は「デジタル遺品とは何か」というテーマで、スマホやパソコンの中に残された写真やメールだけでなく、SNS、ネット銀行、証券口座、電子マネー、サブスクリプションなど、インターネット上に存在するさまざまな情報や契約もデジタル遺品になることをご紹介しました。

デジタル遺品が難しいのは家の中に置かれている「モノ」と違い、そこに何があるのか外から見ただけでは分からない事です。

実物が見えないデジタル遺品

通帳なら引き出しを開ければ見つかりますよね。

アルバムなら本棚を探せば見つかりますよね。

しかしネット銀行の口座は通帳自体がありません。クラウド上の写真も実はPCの中にはないかも知れないのです。

SNSのアカウントも、本人が亡くなったからといって自動的に家族へ引き継がれる訳ではありません。

パスワード・写真・SNS・ネットサービスをどう整理しておくか

では家族が困らないようにするためには、何を準備しておけばよいのでしょうか。

今回は、実際の「デジタル遺品整理」に踏み込んでいきます。

難しい専門知識は必要ありません。

まずは自分がどんなデジタルサービスを利用しているのかを把握することから始めましょう。

最初にやるべきことは「一覧を作る」

デジタル遺品整理というと、いきなりPC内のデータを整理したり、スマホの写真を削除したりすることを想像するかもしれません。

しかし最初にやるべきなのは「削除」ではなく、自分が何を使っているのかを把握する事です。

例えば次のような項目を書き出してみましょう。

利用しているサービス

  • メインで使っているメール
  • Googleアカウント
  • Apple ID
  • Microsoftアカウント
  • LINE
  • Facebook
  • Instagram
  • XなどのSNS
  • Amazonなどの通販サイト
  • ネット銀行
  • ネット証券
  • クレジットカードの会員サイト
  • 電子マネー・キャッシュレス決済
  • 動画・音楽などのサブスクリプション
  • クラウドストレージ
  • 写真保存サービス
  • その他、有料で利用しているサービス

並べてしまいましたが、これら全てを一度に完璧に調べる必要はありません。

まずは思いつくものから書き出していきましょう。

一つ一つのサービスを認識・判断

すると「こんなサービスも使っていたな」「昔登録したアカウントがあったな」と記憶がよみがえって来るのです。

ここで重要なのは、「使っているサービス」と「使っていないサービス」を分ける事です。

昔登録したものの、現在はまったく使っていないアカウントが残っている人っていますよね。

使っていないアカウントを放置しておくと、本人が亡くなった後、家族が「これは何のサービスなのだろう」と確認しなければならなくなります。

「不要なものは元気なうちに解約しておく」これだけでも、家族の負担をかなり減らす事ができます。

パスワードは「家族に伝えればいい」のか?

一覧を作ったならば、次に課題となるのがパスワードでしょう。これこは非常に重要なポイントになります。

そこで「一覧表にIDとパスワードを書いて、家族に渡しておけばいい」と考える方もいるでしょう。

確かに家族が必要な情報を把握できるという意味では有効ですが、紙にパスワードを大量に書いて保管する方法にはリスクもあります。

パスワードは本人が生きている間、リアルに重要な個人情報であるためです。

財布と同じ様に誰でも見られる場所に置いておくべきものではありません。

パスワード管理サービス

そこで「パスワード管理サービス」などを利用する方法があります。

最近では、複数サービスのID・パスワードを一つの安全な仕組みで管理できる「パスワードマネージャー」も一般的になっています。

この様に重要なのは「本人が亡くなった後、家族が必要な情報へアクセスできる方法」を別途考えておく事です。

パスワード管理サービスを使っていることだけ家族に伝えても、そのサービス自体へ入る方法が分からなければ意味がありませんからね。

パスワード管理サービスに入るログイン情報は知っておく様にしましょう。

すべてのパスワードを家族に教える必要はない

ここも誤解されやすいところですが、デジタル終活だからといって、全てのパスワードを家族に公開する必要はありません。

むしろ生前は絶対に見られたくない情報もあるでしょう。

仕事上のメール、個人的なメッセージ、プライベートな写真など、人によって事情はさまざまです。

大切なのは、

「何を家族に残すのか」
「何を見られたくないのか」
「亡くなった後にどうしてほしいのか」

を自分自身で決めておく事です。

具体的な要望とともにパスワードを書き出す

「銀行・証券口座については必ず確認してほしい」

「写真は家族に残したい」

「SNSは削除してほしい」

「仕事関係のデータは会社へ連絡してほしい」

などです。これらとともにパスワードを書き出すべきと言えます。

デジタル遺品整理は、単純に「全部を公開する」という話ではありません。

本人の意思を尊重する事も、デジタル終活の重要な役割なのです。

写真は「どこに保存されているか」を確認する

デジタル遺品の中でも、特に残しておきたいものが写真や動画ですよね。

ところがここにも落とし穴があります。

スマホで撮った写真が、必ずスマホ本体だけに保存されているとは限りません。

Googleフォト、iCloud、OneDriveなどのクラウドサービスへ自動的にバックアップされている場合があります。

逆に「クラウドにあると思っていたけれど、実はスマホ本体にしか保存されていなかった」という事もあるのです。

そのため一度「自分の写真はどこに保存されているのか」を確認しておきましょう。

データ場所の候補

  • スマホ本体
  • パソコン
  • 外付けハードディスク
  • USBメモリ
  • Googleフォト
  • iCloud
  • OneDrive
  • その他のクラウドサービス

などです。

保存場所が複数ある場合は、それぞれについて整理しておくと安心です。

「大切な写真」と「不要な写真」を分けておく

スマホの写真を見ると、同じような写真が何枚も保存されていないでしょうか。

スクリーンショット、失敗した写真、広告画像、メモ代わりに撮った写真など、数年使っているスマホには大量のデータが蓄積しています。

本人にとっては不要でも、家族にとって大切な写真が混ざっている可能性があります。

これら数千枚の写真の中から「この写真は残してほしい」というものを家族が探すのは非常に大変です。

そこで、生前にある程度整理しておくことをおすすめします。

写真の分類例

「家族写真」
「旅行」
「仕事」
「思い出」

など、分かりやすい分類を作っておくだけでも、後から探しやすくなります。

特に大切な写真については、クラウドや外付けストレージなど、別の場所にもバックアップしておくと安心です。

スマホの「ロック」をどうするか

デジタル遺品整理で非常に悩ましいのが、スマホのロックです。

スマホには個人情報が大量に入っているため、普段はロック設定しておくのは必須です。

では本人が亡くなった後、家族がそのロックを解除できない場合にどうするか。

携帯会社はロック解除できない場合がある

ここで注意したいのは「家族だから、携帯電話会社に頼めばロックを解除してもらえるだろう」と簡単に考えない事です。

端末のロックと、携帯電話会社の契約は別の問題です。

携帯電話の契約を解約したり名義変更したりする事はできても、端末内部のデータまで自由に閲覧できるとは限りません。

そのため、写真や重要なデータをスマホだけに保存しておくことは避けた方がよいでしょう。

メールアカウントは重要なデジタル遺品

意外と見落とされるのがメールです。メールは単なる連絡手段ではありません。

多くのオンラインサービスでは以下のケースでメールアドレスが使われています。

「パスワードを忘れた場合」
「本人確認」
「ログイン通知」

メールアカウントそのものが、他のサービスへアクセスするための「鍵」になっている事が多いのです。

メールアドレスはアカウント復旧の鍵

例えばあるサービスのパスワードが分からなくても、登録メールアドレスを使ってパスワードを再設定できる事が多々あります。

逆に言えばメールアカウントへアクセスできなくなることで、他のサービスの整理までが難しくなる可能性がある訳です。

そのためメインで利用しているメールアドレスが何なのか、どの端末で利用しているのかは家族が確認できるようにしておくことが重要です。

SNSは「残す・削除する」を決めておく

SNSについても、あらかじめ希望を決めておきましょう。

例えば

「Instagramの写真は残したい」

「Facebookは削除してほしい」

「Xのアカウントは閉鎖したい」

などです。

サービスによっては、本人が亡くなった後のアカウントについて、削除や追悼などの手続きを用意している場合があります。

ただし、その手続き方法や必要書類はサービスごとに異なります。

そのためSNSを複数利用している場合は、一覧表にサービス名/アカウント名/希望する対応を記録しておくと、家族が手続きをするときに役立ちます。

ここでも「パスワードを全部残す」という方法だけに頼るのではなく、亡くなった後にどうしてほしいかという意思を残すことが大切です。

「残すデジタル」と「消すデジタル」を分ける

デジタル遺品整理で最も重要なのは「すべてを残そうとしない事」です。それはデータが増えすぎると、かえって家族の負担になるためです。

そこで、データを大きく3つに分けてみましょう。

3つのカテゴリに分類

① 家族に残したいもの

写真、動画、手紙、家族との思い出など。

② 手続きのために必要なもの

銀行、証券、保険、契約、仕事関係など。

③ 自分が亡くなった後は削除してほしいもの

個人的なメッセージや不要なデータなど。

この3つに分類するだけでも、整理の方向性がかなり見えてきますよね。

「全部残す」ことが必ずしも家族への配慮になるわけではありません。

必要なものを必要な形で残し、不要なものは自分の手で整理しておく、それが本当の意味でのデジタル終活と言えるでしょう。


家族を困らせないために。今日から始めるデジタル遺品整理

ここまでデジタル遺品整理の第一歩として、自分が利用しているサービスを一覧にすること、パスワードや写真、メール、SNSなどを整理しておくことについてご紹介しました。

しかし、デジタル遺品の中には、さらに慎重に扱わなければならないものがあります。

それが「お金に関係するデジタル情報」です。

ネット銀行などのオンライン金融機関

ネット銀行、ネット証券、電子マネー、ポイント、クレジットカード、暗号資産など、現在はさまざまな金融資産がオンライン化されています。

また、パソコンや外付けハードディスク、クラウドサービスの中には、家族には知られたくない仕事上の情報や個人的なデータが保存されていることもあります。

ここからは、こうした「見えない資産」と「見えない契約」をどのように整理しておけばよいのか、さらに具体的に見ていきましょう。

ネット銀行は「通帳がない」ことが最大の問題

銀行口座といえば、以前は通帳が手がかりになりました。

自宅を探せば通帳が見つかり、そこから銀行名や支店名、口座番号を確認することができました。

ところがネット銀行では、紙の通帳が発行されないケースがあります。

本人がスマホやPCだけで口座を管理していれば、家族がその存在を知らない可能性もあります。

例えば、普段使っている銀行とは別にネット銀行を貯蓄用として利用していたとします。

その存在を家族が知らなければ、相続財産として把握できない可能性があるのです。

もちろん、相続の手続きでは金融機関への照会など一定の方法によって口座の存在を確認できる場合があります。

利用している金融機関・口座を知る

しかし最初から「どこの金融機関を利用していたのか」という情報が分かっていれば、家族の負担は大きく変わります。

そこでネット銀行については

  • 金融機関名
  • 口座の種類
  • 口座が存在すること
  • 重要な手続きに必要な情報の保管場所

などを整理しておきましょう。

ただし、暗証番号やログインパスワードなど、重要な認証情報を不用意に一覧表へ記載して持ち歩くことは避けるべきです。

「口座があること」と「アクセスするための認証情報」は分けて管理する方法も検討しましょう。

ネット証券や投資サービスも網羅

株式や投資信託などの資産についても、ネット証券を利用している場合は注意が必要です。

証券会社から郵送される書類を減らしている場合、家族がその存在を把握しにくくなる事があります。

さらに複数の証券会社を使い分けている場合には、「どこに何を持っているのか」が本人にしか分からないという状況も起こります。

そのため、投資をしている方は

「どの証券会社を利用しているか」

「どの程度の口座を保有しているか」

を家族が把握できる状態にしておくことが大切です。

ここでも、具体的な取引内容や残高を毎回記録する必要があるとは限りません。

重要なのは、資産が存在する場所を家族が把握できるようにしておく事です。

資産そのものを整理する前に、資産への「手がかり」を整理することが必要になりますね。

電子マネーやポイントも「資産」になり得る

現在では、現金を持たずに買い物をする人も増えました。

スマホには、複数のキャッシュレス決済サービスが入っていることがあります。

また通販サイトや店舗のポイントも、本人にとってはそれなりの価値がある場合があります。

例えば「そういえば、あの人はネット通販をよく利用していた」と家族が思い出しても、どのアカウントを利用していたのかまでは分からないかもしれません。

サービスごとに取り扱いルールが違う

一方でポイントや電子マネーについては、サービスごとに本人死亡後の取り扱いが異なります。

相続できるもの、できないもの、一定の手続きが必要なものなど、サービスによってルールが違います。

「電子マネーやポイントも財産だから、家族にそのまま渡せる」と安易に考えず、利用しているサービスを把握しておくことが重要です。

サブスクリプションは「契約の一覧」を作る

前編でも触れましたが、サブスクリプションサービスは特に見落とされやすいデジタル契約です。

  • 動画配信
  • 音楽配信
  • 電子書籍
  • オンラインストレージ
  • セキュリティソフト
  • 写真保存サービス
  • ソフトウェア
  • オンライン新聞・雑誌

など一つひとつは少額でも、複数契約していると毎月の支払いは積み重なります。

さらに問題なのは、クレジットカードの明細を見てもサービス名と請求名が一致しない場合がある事です。

そこでサブスクリプションについては、サービス名/利用目的/支払い方法/不要になった場合の対応を一覧にしておくと分かりやすくなります。

「毎月何にお金を払っているのか」を把握することはデジタル遺品整理だけでなく、現在の家計を見直すうえでも役立ちます。

クレジットカードもデジタル遺品と関係する

クレジットカードそのものはデジタル遺品ではありません。

しかしオンラインサービスとの契約を考えると、非常に重要な存在です。

例えば、一枚のクレジットカードで、

動画配信サービス

クラウドストレージ

ネットショッピング

スマホ関連サービス

と複数のサービスを支払っていることがあります。

そのためカードを解約するだけではなく、「そのカードから何が引き落とされているのか」を確認する必要があります。

逆に、あるサービスを解約したつもりでも別のカードから料金が引き落とされている可能性もあります。

デジタル遺品整理では、サービスと支払い方法をセットで考えることが重要です。

パソコンの中には「個人情報」が詰まっている

スマホだけではなく、PC(パソコン)自体も重要なデジタル遺品です。

  • 写真
  • 動画
  • 文書
  • 年賀状データ
  • 家計簿
  • メール
  • ブラウザの履歴
  • 保存されたログイン情報
  • 仕事の資料
  • 各種バックアップ

などがPC内に保存されていることがあります。

特に注意したいのが、仕事で使用していたPCです。

会社のデータや取引先の情報など、本人だけのものではない情報が保存されている可能性があります。

このようなデータは、家族が勝手に処分したり、第三者へ渡したりするのではなく、勤務先や関係者へ確認する必要があります。

「PCは故人の所有物だから、家族が自由に処分してよい」と単純には考えない方がよいでしょう。

外付けハードディスクやUSBメモリも確認する

データが保存されているのはPC本体だけではありません。

外付けハードディスクやSSD、USBメモリ、SDカードなどにも大量のデータが保存されている可能性があります。

一番見落とされがちなところです。

保存データ内容を書き出しておく

特に外付けハードディスクは、普段はパソコンから外して保管しているため、家族が「何が入っているのか分からない」という状態になりやすいものです。

そこで、保存しているデータについて

「写真」
「仕事」
「バックアップ」
「古いデータ」

など、大まかな内容を書いておくだけでも役立ちます。

ただし、重要なデータを保存した外付け機器を一つだけに頼るのはおすすめできません。

ハードディスクなどの記録媒体は、故障する可能性があります。

大切な写真や書類については、複数の場所へバックアップしておくことも考えておきましょう。

クラウドサービスは「どこにあるか」を知っておく

デジタル時代ならではの問題が、クラウドです。

クラウドとは簡単に言えば、自分のPCやスマホ本体ではなく、インターネット上のサーバーにデータを保存して利用する仕組みです。

便利な一方で、データが物理的にどこにあるのか分かりにくくなります。

「パソコンを探したけれど写真がない」「スマホを確認したけれど、昔の写真がない」という場合で、実はクラウド上に残っているかもしれません。

逆にクラウドサービスの契約が終了すると、保存されていたデータにアクセスできなくなる可能性もあります。

常日頃、何のクラウドサービスを利用しているのか、何を保存しているのかを整理しておきましょう。

PC内データは「仕事のため」にも重要

デジタル遺品整理というと、家族のために行うものだと思われがちです。

しかし仕事をしている人にとっては、取引先や勤務先のためにも重要です。

自営業者やフリーランスの場合、顧客情報、契約書、請求書、会計データ、メールなどがPCやクラウドに保存されていることがあります。

本人が仕事ができなくなった時

本人が突然仕事をできなくなった場合、家族だけでは何がどこにあるのか分からない事があります。

そのため、仕事に関するデータについては

「どこに保存しているか」

「誰に連絡すればよいか」

を整理しておくと安心です。

これは死亡時だけではなく、病気や事故などで本人が一時的に仕事をできなくなった場合にも役立ちます。

「デジタル版エンディングノート」を作る

ここまで整理してくると最後に必要になるのが「情報をまとめる場所」です。

紙のエンディングノートを使っても構いません。パソコンで作成しても構いません。

重要なのは家族が必要な情報を見つけられる事ですので、次のような項目をまとめておくとよいでしょう。

エンディングノートの記載例

基本情報氏名、連絡先など
利用しているデジタルサービスメール、SNS、クラウド、ネット銀行、証券など
重要な契約サブスクリプション、オンラインサービスなど
データの保存場所写真、動画、文書などがどこに保存されているか
死後の希望残したいデータ、削除したいアカウントなど
緊急時の連絡先家族だけでなく、必要に応じて勤務先や専門家など

ここで大切なのは、上述しましたが「パスワード一覧」だけを作らない事です。

家族が本当に必要なのは「何があるのか」「どこにあるのか」「どうして欲しいのか」という情報です。

この辺りをセットで共有できる様にしていて欲しいです。

一度整理して終わりではない

デジタル遺品整理でもう一つ重要なのが「定期的な更新」です。

スマホを買い替えれば、利用するサービスも変わりますし、新しいSNSを始める事もあります。ネット銀行を増やすこともあるでしょう。

逆に、使わなくなったサービスを解約することもあります。

つまり今日作った一覧表が、5年後にも正しいとは限りらないのです。

年に一度のデジタル遺品の棚卸し

そこで、例えば年に一度「デジタル遺品の棚卸し」をすることをおすすめします。

誕生日や年末など、毎年決まった時期に確認すると忘れにくいでしょう。

「今年新しく登録したサービスはないか」
「使っていないサービスはないか」
「写真の保存先は変わっていないか」
「連絡先や家族に伝える内容は変わっていないか」

と確認するだけでも十分です。

まずは「10分」でできることから始める

ここまで読んで「やることが多すぎて大変そうだ」と感じた方もいるかもしれません。

しかし、最初から完璧に整理する必要はありません。

まずスマホを開いて、ホーム画面を見てください。

そこにあるアプリを眺めながら「これは何のサービスだろう?」と確認していくだけでも立派な第一歩です。

次にネット銀行や証券会社など、お金に関係するサービスを確認します。

その後、写真や動画の保存場所を確認します。

そして最後に、SNSやサブスクリプションなどを整理していきます。

一日ですべて終わらせる必要はありません。

10分、20分と少しずつ進めていけばよいのです。

デジタル遺品整理は「家族への最後の親切」

デジタル遺品整理という言葉には、少し寂しい印象があるかもしれません。

「自分が亡くなった後のことなんて考えたくない」そう思うのも自然な事です。

しかし、デジタル遺品整理は「死を準備すること」だけではありません。

自分が大切にしているものを整理すること。

不要な契約を見直すこと。

家族に必要な情報を伝えること。

写真や思い出を次の世代へ残すこと。

それは、今をより安心して暮らすための整理でもあります。

そして何より、残された家族が「何から手を付ければいいのか分からない」という状況にならないための準備です。

まとめ(今日から始める5つ)

ここまでの内容をまとめると、デジタル遺品整理でまず取り組みたいのは次の5つです。

1.利用しているサービスを書き出す

メール、SNS、銀行、証券、通販、クラウドなど、自分が利用しているものを把握します。

2.写真や重要データの保存場所を確認する

スマホ本体だけなのか、クラウドや外部ストレージにも保存されているのかを確認します。

3.不要なアカウントや契約を整理する

使っていないサービスは、今のうちに解約を検討します。

4.家族に残したいもの・削除したいものを決める

すべてを残すのではなく、自分の意思を明確にしておきます。

5.情報をまとめ、定期的に更新する

一度作った一覧を放置せず、年に一度程度は見直します。

この5つだけでも、デジタル遺品整理の大きな一歩になります。

次回は「デジタル終活」へ

第1回では「デジタル遺品とは何か」を知り、第2回では「実際に何を整理すればよいのか」を見てきました。

しかしここで一つ疑問が残ります。それは「整理した情報を、どうやって家族に残せばいいのか?」そして「自分が亡くなった後、どのデータを残し、どのデータを消してほしいのか?」という問題です。

デジタル遺品整理は、亡くなった後に家族が行う「後始末」だけではありません。

本人が元気なうちに、自分自身の意思で情報やデータを整理しておく「デジタル終活」という考え方があります。

次回第3回は「デジタル終活」

次回、第3回ではこの「デジタル終活」をテーマにします。

エンディングノートに何を書けばよいのか。

家族にはどこまで伝えればよいのか。

パスワードはどう管理すればよいのか。

残したい写真やデータをどうするのか。

そして、デジタル時代だからこそ考えておきたい「自分の死後の情報」について、具体的に考えていきます。