1.終活にかかる費用の概要

終活とは何か
終活とは人生の最期のために前向きにしていく準備の事です。
友人知人からアドバイスを受けて始める場合も多いと思いますが、自分の人生を振り返るいい機会になりますし、最終的には自発的にかつ意欲的に進めていく人が多くいらっしゃいます。
進めていくごとに身の回りの事が明確にされていき、その一つ一つを惜しみながら整理をつける事で、晴れ晴れとしたすがすがしい気持ちにもなると言われています。
そういった自分の気持ちの機微を感じる最後の機会という意味でも「終活」は大切な活動です。
終活の主な内容
| 身の回りの整理 | 断捨離、財産整理 |
|---|---|
| 医療・介護の希望を決める | 延命治療の希望、介護方針、代理人の決定 |
| お金・相続の準備 | 遺言書の作成、エンディングノート、保険や口座整理 |
| お葬式・お墓の準備 | 葬儀形式、墓の種類、納骨方法(永代供養・樹木葬など) |
| 家族への気持ちを残す | メッセージ、思い出の整理 |
地域や家族構成によって重点が違う
一般的に終活は、その本人の住む地域や家族構成によって重点の置き方が違ってきます。
福岡でも市内などの都市部では「合理的」な終活の進め方をする事が多く、逆に福岡県の田舎や地方では「伝統的」な手法に習って進める傾向がある様です。
福岡市では高齢化社会により単身者が増加し、どちらかといえば家族の為ではなく自分自身のために終活する傾向が強いです。
「最期くらい自分らしく人生を終えたい」という価値観に基づいたものでしょう。
それに対して地方に住む高齢者は、家族に迷惑をかけたくないという意識が強い人が多いです。
その人が住む地域の伝統が継承され、それに重点を置いた終活が進められる傾向にあります。
終活費用の平均相場
2025年の調査によると、終活にかかった総額の平均は全国の平均で約503万円にとなっています。
葬儀・お墓・供養などの費用に関しては一般的に80万円~250万円程度がひとつの目安とされています。
2024年のデータでは葬儀のみの全国平均は約118.5万円です。
福岡市で「一般葬」の相場として提示されているのは約177万円程度、福岡県の葬儀平均は約194万円というデータもあります。
費用が発生する主な項目
終活時に発生する主な費用項目をまとめてみました。
- 不用品回収・遺品整理サービス料金
- 引っ越し・部屋の縮小(住み替え)費用
- 家の売却・解体・リフォーム費用
- 介護施設入居費用・月額費
- 看護・訪問介護サービス
- 延命治療に関する事前指示の準備費(公正証書作成など)
- 遺言書作成費(公正証書遺言など)
- 成年後見人制度の利用費用
- 相続税対策(生前贈与などの手続き)
- 税理士・司法書士・弁護士への手数料
- 家族葬・一般葬・直葬などの葬儀費用
- 会場使用料・料理・返礼品
- 事前見積り・生前契約(互助会・葬儀保険)
- 墓石・永代供養・納骨堂・樹木葬・海洋散骨など
- 墓じまい費用
- 霊園管理料
- エンディングノート
- デジタル遺品(アカウント管理)整理
- 各種証明書や手続き代行サービス
- 記念動画制作・写真撮影
- メモリアルダイヤモンド・遺骨加工サービス
- ペットの引き継ぎ費用
終活費用を左右する要因
上記における各項目ごとの終活費用を左右する主な要因は何でしょうか。
目立つのはやはり、葬儀の規模(家族葬か一般葬か)と供養する方法(墓・納骨堂・散骨など)でしょう。
さらに地域差や家族構成・後継者の有無、施設入居の必要性、専門家依頼の有無、遺品や不動産の状況などで項目数や活動量は変わってきます。
ポイントは誰一人同じ内容・費用にはならず、費用を掛けた・掛けなかった際の「差」もあまり無いという事です。
終活は客観的な金額ではなく、あくまで本人が重点を置きたい部分に費用を掛けるべきものと言えますね。
終活費用の支払い方法
終活費用の支払い方法は、現金・銀行振込・クレジットカードのほか、各種地域の互助会の積立や葬儀保険、分割払い、事前契約(生前契約)などがあります。
不動産売却や生前贈与で資金を確保するケースもあります。
例えば福岡市の場合「彩苑」の互助会が月額3,000円などで積み立てプランを提供しています。
また福岡県葬祭業協同組合には「if共済会」という共済制度もあり、入会金を払えば葬儀の際に弔慰金などが出る仕組みがあります。
公的支援や補助金の活用
福岡市では国民健康保険加入者が死亡した際、葬儀をおこなった人に「葬祭費」として3万円が支給される制度があります。
福岡の全区役所に「ご遺族サポート窓口」が設置されており、手続き案内等をワンストップサポートしています。
福岡市が社会福祉協議会等に出している「やすらかパック事業」など、終活支援を対象とした補助金制度も充実しているので、問い合わせ頂きたいと思います。
2.葬儀・埋葬に関する費用
葬儀の種類と費用
福岡にて主に実施されている葬儀の種類と費用をまとめてみました。
| 葬儀形式 | 特徴 | 福岡(または福岡市)での相場目安 |
|---|---|---|
| 一般葬 | 通夜+告別式、会葬者を多数招く伝統的な形式 | 約 73万円(福岡市・式場プランのみ) +飲食・返礼・お布施などを含めて総額平均 約109.7万円 |
| 家族葬 | 身内・近親者など少人数で行う | プラン例で約 42万円(福岡市) 総額目安は約 106万円(プラン+飲食・お布施等含む) |
| 一日葬 | 通夜なし。葬儀と火葬を1日で行う | 福岡県相場は約 20万円~ 福岡市だとプランで約 38万円の例あり |
| 直葬(火葬式) | 葬儀を省いて火葬のみ。式を行わないシンプルな方式 | 福岡県:9万円~23万円あたりが相場~ 福岡市ではプラン相場が約 18万円+火葬・お布施など |
| 神式(神葬祭) | 神道の儀式を行う葬儀 | 福岡県では雅楽演奏などを含めると、仏式より30~50万円ほど高くなることも 福岡市の火葬料金:大人(市内在住)は20,000円 |
葬儀の費用平均(福岡県全体、一式+飲食+返礼などを含めた総額)は約109.7万円となっています。
葬儀にはプラン費用のほかにお布施(宗教者への謝礼)や会葬者向け飲食・返礼品費がかなり影響を与える傾向にあります。
まさに福岡の地方はそういった伝統がまだ残っているという事を示していますね。
埋葬方法別の費用
福岡での埋葬方法別の費用をまとめてみました
合祀型永代供養(共同墓・合葬墓)
最も安いクラスで約4万円~
納骨堂(永代供養付き)
福岡市での納骨堂プランは、年間管理料を含むタイプで数十万円~百万円台
例:太宰府メモリアルパークの多段式納骨堂は最下段(2柱)で50万円+管理費
樹木葬(永代供養付き)
合祀(共同埋葬)タイプ:約10万~30万円
個別タイプ(1~2名):約30万~80万円
家族タイプ(複数名):約80万~150万円
具体例:福岡県行橋市の正覚院:19.8万円~
一般墓(石を使ったお墓)+永代使用
福岡市で永代供養プランありのお墓の場合、お墓+永代使用で約35万円~
公園霊園などでの高めプラン(例:ささぐり極楽霊苑「家族墓」)の場合、1基128万円など
3.遺言・相続に関する費用
遺言書作成の費用
福岡での遺言書作成に掛かる費用としては、司法書士による遺言書作成支援の場合、約55,000円が相場の様です。
公正証書遺言(司法書士/専門家に依頼+公証人利用)は、基本報酬110,000円+公証人手数料が発生し、財産の額によって変動します。
弁護士に依頼する場合(公正証書遺言)、定型的な遺言で14万円~25万円が一般的な相場です。
相続手続きにかかる費用
相続手続きは、専門家に依頼した場合と自分で手続きする場合とで掛かる費用が大きく違ってきます。
1.専門家に依頼する場合
| 手続き | 費用相場 |
|---|---|
| 司法書士による名義変更(不動産登記) | 3万円~10万円/1件(財産額に応じて増減) |
| 弁護士による相続相談・遺産分割協議書作成 | 5万円~30万円(内容・件数による) |
| 税理士による相続税申告 | 財産評価額に応じ50万円~150万円前後(全国平均的) |
2.自分で手続きを行う場合
| 手続き | 費用相場 |
|---|---|
| 登記手数料(登録免許税) | 不動産価格の0.4~2%程度 |
| 戸籍・住民票取得費 | 数百円~数千円 |
| 印鑑証明書取得 | 1通200円前後 |
3.その他の費用
| 手続き | 費用相場 |
|---|---|
| 遺産分割協議書の公正証書化 | 約3万円~5万円 |
| 書類取得や郵送費用、交通費など | 数千円~数万円 |
遺産分割協議書作成の費用
- 弁護士:相続財産の価額に応じて、定型だと11万円~(福岡の事務所例)
- 行政書士:協議案作成などで約44,000円(税込)~
- 司法書士:ふくおか司法書士法人では、遺産分割協議書作成が55,000円~(不動産がない場合)
- 司法書士+相続登記を含める場合:例、協議書作成が11,000円+名義変更費用などが加わる
終活サービスによる総合的なサポート
福岡で総合的な終活サービスのサポートを展開している業者をご紹介します。
・福岡市社会福祉協議会終活サポートセンター
終活相談(相続・葬儀・遺言など)のワンストップ窓口。無料で面談相談を実施しています。
・はせがわ(仏壇・仏具店)の「終活なむでもパック」
司法書士・税理士・遺品整理業者など専門家を紹介し、死後事務・葬儀・墓じまい・身元保証などをトータルサポートしています。
・糸島「まごころサポートクラブ」(まごころ葬儀)
遺言作成、任意後見、死後手続き・遺品整理・納骨などの生前・死後サポートを実施中。
・福岡相続相談「笑顔相続サロン」
相続・終活・介護・家財整理などに対し、税理士・司法書士等の専門家と連携した相談を提供します。死後事務委任契約のサポートもあり。
・プラスらいふサポート(PLUSらいふサポート)
身元保証(高齢者施設への入居時など)、死後事務委任、遺言執行者のサポートなどを提供中。
・遺品整理業者+終活相談:ぶぜん川崎終活相談事業所
遺品整理、生前整理だけでなく、遺言・相続・お墓などの終活相談も併せて対応します。
・在宅・緩和ケア(終末期医療)
福岡市・福岡県内にはホスピスや在宅緩和ケアチームがあり、終末期の医療・ケアのサポート体制があります。
遺言・相続関連費用を抑えるためのアドバイス
いろいろ費用が発生する事はわかりましたが、全て案内した通りに頼む必要はありません。
自分でできる部分は自分で準備していけば良いのです。
まず遺言書であれば、自筆証書遺言(手書き)やエンディングノートで整理していきましょう。
公正証書遺言は必要最低限の依頼範囲に絞って、財産目録のみ自作して形式チェックだけ専門家に依頼した方が経済的です。
遺言書は早めに作成し遺産分割についても早めに計画しておきましょう。
生前贈与や小規模財産分割で相続税・手続き費用を減らせるメリットがあります。
専門家は見積もりを取って比較し、司法書士・行政書士・弁護士で料金やサービスや範囲が大きく違う事を把握しておくべきです。
事前に家族会議を開いておけば、遺産分割協議上で発生しがちな揉め事を防げますし、追加費用を減らす事につながります。
つまり「自分で早めに整理・計画して、専門家への依頼は分析をしながら最小限にとどめる事」が費用を抑えるコツと言えますね。
4.生前整理・身辺整理の費用
生前り整理もやはり業者に頼めばそれなりに費用が発生してきます。
必ず必要ではないかも知れませんが、外部サービスに頼む事で負担が減るのは間違いありません。
生前整理の費用
福岡における生前整理を業者に頼んだ場合の費用の目安をご紹介します。
福岡資源のお片付けサービス:1R・1K→5万円~(生前整理)
おまかせ本舗(福岡):1K~1LDK→5万~12万円、2DK~3DK→12万~28万円
マルジュン:1K→38,500円~、1LDK→66,000円~
おうち整理士:1K~1DK→27,500円~(仕分け・搬出込み)
身辺整理の費用
次は身辺整理の費用の目安もご紹介しましょう。
遺品整理(福岡)1K→¥35,000~、1DK→¥55,000~、1LDK~2DK→¥70,000~(福岡片付け隊)
西日本遺品整理協会:2DK・2LDKで¥297,000~、3LDKで¥396,000~
生前整理(全国区だが参考の目安):1LDKで約10万~20万円、3LDKで20万~40万円など
福岡での遺品/身辺整理:1DK相当の遺品整理で7万~15万円の業者相場あり
遺品整理サービスの費用
| しあわせの遺品整理(福岡) | 1K~1DK:30,000円~ 1LDK~2DK:60,000円~ 2LDK~3LDK:90,000円~ 3LDK~4LDK:150,000円~ |
|---|---|
| おうち整理士(福岡) | 1K~1DK:27,500円~ 1LDK~2DK:55,000円~ 2LDK~3DK:88,000円~ 3LDK~4LDK(一戸建て):198,000円~ |
| 福岡片付け隊 | ワンルーム:35,000円~ 1DK:55,000円~ 1LDK~2DK:70,000円~ 2LDK~3DK:100,000円~ 4DK~3LDK:130,000円~ |
| 北九州遺品整理サービス | ワンルーム・1K:30,000円~ 1DK:30,000円~ 1LDK・2DK:50,000円~ 2LDK・3DK:80,000円~ 3LDK・4DK:120,000円~ |
| 福岡遺品整理ドットコム | 1K:40,000円~ 1DK:60,000円~ 1LDK:80,000円~ 2DK:120,000円~ 2LDK:150,000円~ 3DK:180,000円~ 4LDK:260,000円~ |
費用を抑えるためのポイント
見積もりの際は「遺品の量」「階段の有無」「処分品の種類」などを細かく伝えると正確な見積が出やすいです。
複数業者に見積もりを取ってそれぞれ比較しておきたいものです。
特殊清掃(臭いや汚れがひどい場合)が必要な場合、別途料金が発生するケースがありますが、それは致し方無いと思われます。
他にもなるべく平日や閑散期に依頼した方が、土日・繁忙期より費用が安くなりがちです。
自治体の廃棄支援やリサイクルを活用し、粗大ごみやリサイクル品を自己で搬入する事で処分費を減らせます。
5.エンディングノート作成の費用
市販のエンディングノート
市販のエンディングノート(書籍タイプ)の費用は、おおよそ1,000円〜2,000円前後が一般的です。
他にも様々なエンディングノートが発売されています。
- Never Ending Note:1,760円(税込)
- コクヨ エンディングノート LES‑E101:1,480円前後
- 一番わかりやすいエンディングノート:1,078円
- Ending Notebook:決定版 女性のためのエンディングノート:約1,430円
- 終活ノート わたしのこと:680円
- エンディングセンターが出している 880円のエンディングノート(36ページ)
- 樹木葬・桜葬のエンディングセンター(東京・大阪)
- 奈良林和子さん著の「My Ending Note」 1,650円
専門家によるエンディングノート作成支援
| サービス名 | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
| 笑顔相続サロン(福岡) | 相続・終活全般をサポート。エンディングノート作成を含めた相談 | 個別作成サポート:30分 5,500円 |
| 相続・不動産コンサルサポート福岡 | 遺言原案・財産目録作成などと並行して、エンディングノートの書き方相談 | 2回面談(1回60分+120分):35,200円 |
| なかしま美春 行政書士事務所 | 死後の手続き・終活全般を扱い、エンディングノート作成支援も提供 | 1時間あたり 5,500円 |
| 家計と暮らしと住まいの相談室(福岡市・北九州市) | ライフプランも含めて、6回コースでエンディングノート作成支援 | 一括 8,000円(6回)、1回2,000円/非会員 |
| 福岡市社会福祉協議会 終活サポートセンター | 地域の終活相談窓口として、エンディングノートの書き方講座もあり | 無料講座などを随時開催 |
| オンライン終活サービス「リビングノート」 | Web・アプリ上でエンディングノートが作成可能+専門家(司法書士・弁護士等)への相談機能 | 弁護士や司法書士とマッチング可能 |
エンディングノート作成費用を抑えるコツ
エンディングノート作成の費用を抑えたい場合、以下のような方法があります。
わざわざ買わなくても大体どの様な形式になっているのかは見本を見ればわかりますからね。
- 市販のノートを活用し、自分で記入する
- 図書館や市役所で無料の見本を参考にする
- オンラインの無料テンプレートを利用する
- 総合的な終活サービスを利用し、エンディングノート作成を含めた全体的な費用を最適化する
ただし重要な法的文書や相続に関わる内容については、自分の自作で終わらせずに専門家のアドバイスを受けた方が良いでしょう。
エンディングノート作成の意義と価値
1.意思を共有して負担を軽減
エンディングノートを作る意義としては、まずは家族の負担を減らす事ができる点が一番大きいと思います。
遺産や財産の場所、葬儀や埋葬の希望などを誰もがわかる様にしておく事で、家族が迷ったり揉めたりするリスクを減らせます。
ノートがあればスムーズな遺品整理手続きにつながる事でしょう。
2.意思を尊重できる
自分の価値観や希望を文字で残す事で「自分の意思や希望」が明確になり、それが尊重されやすくなります。
これはもちろん、本人への医療や介護、葬儀・供養の希望なども含まれます。
3.自分自身の整理・振り返りになる
財産・保険・契約書類などを整理できれば、自分が日頃注目していなかった生活や資産管理の現状を把握できる様になります。これはまさに自分のために必要ですよね。
まさに「人生の棚卸し」となり、本人の心の整理や最期の準備にもつながる事でしょう。
4.家族間のコミュニケーション促進
正直遺言や相続の話を家族の前でする事は非常にハードルが高い課題です。
普段の話の場もなかなか設けられないご家族が多いのが実情ですので、まさにエンディングノートは家族と会話ができるツールと言えるでしょう。
5.精神的な安心感
本人が「実際のところどう思っているのか」については、家族が一番気になる所です。
エンディングノートを通じて自分の希望が明確になっていれば、家族も迷わずに行動でき、心の負担軽減につながります。
6.終活費用を安く済ませるコツ
終活は大切な準備ですが、活動を充実させればさせる程、その分費用が膨らむ面もあります。
ここでは、終活費用を抑えるための実践的なコツをご紹介します。
大切な人生の締めくくりではありますが、計画を立てて経済的な負担を最小限に抑える事も必要です。
早めの準備で費用を抑える
終活は早め早めに準備する事で、それに比例し費用を抑えることができる部分があります。
- 葬儀や墓地の事前予約による割引
- 生前整理による遺品整理費用の削減
- 健康なうちに書類作成を行うことによる専門家への依頼費用の節約
全日本葬祭業協同組合連合会によれば、事前準備で葬儀費用を最大30%程度抑えられる可能性がある様です。
必要なサービスを見極める
終活には様々なサービスがありますが、全てが必要とは限りません。
自分や家族のニーズを慎重に検討して、本当に必要なサービスのみに絞る事が必要です。
例えばあえてプロの遺品整理サービスを頼まずとも、家族・親族で整理をすれば事足りる場合もありますよね。
高額な葬儀費用プランに関しても、参列者が多くないのであれば必ずしも必要ではありません。
場合によって、家族葬や直葬で済ませる事ができるかも知れません(正直ここでは見栄は必要ないと思います)。
エンディングノート作成支援も、いくらでも市販ノートで代用は可能な訳です。自力で作成できて家族に内容が正確に伝われば不要と言えます。
複数の業者を比較検討する
本記事で何度も述べていますが、各種サービスを利用する際は必ず複数の業者から見積もりを取り、以下のポイントに気を付けつつ比較検討しましょう。
- 料金体系の透明性
- オプションサービスの有無と必要性
- アフターフォローの充実度
- 他の利用者の口コミや評判
特に一番費用が膨らむであろう「葬儀費用」は業者によって大きく異なる要素ですので、慎重に検討するべきです。
公的サービスや補助金を活用する
あなたが済む自治体、或いは国には終活関連の公的サービスが提供されており、それら補助金を積極的に活用することで、大幅な費用削減が可能です。
主な公的サービスと補助金
| サービス/補助金名 | 対象者 | 内容 | |
|---|---|---|---|
| 生活保護受給者の葬祭扶助 | 生活保護受給者 | 葬儀費用の一部または全額を支給 | |
| 国民健康保険の葬祭費 | 国民健康保険加入者 | 一定額の葬祭費を支給 | |
| 市区町村の高齢者向け相談サービス | 高齢者とその家族 | 無料または低額で終活相談を提供 |
終活費用を抑えるための日々の取り組み
日々の生活の中には、これら終活費用を抑えれる工夫がいくつもあります。それを発見するのも一つの楽しみと捉える事ができるかも知れません。
将来の終活費用を削減できる可能性があるポイントを意識していきましょう。
- 定期的な断捨離の実施
- 家族との終活に関する対話の機会を持つ
- 健康管理による医療費の抑制
- 終活関連の情報収集を継続的に行う
これらの取り組みは終活費用の削減だけでなく、日々の生活の質の向上にもつながり、今を充実して生きるためのきっかけにもなるのです。
終活費用削減の成功事例
実際に終活費用を大幅に削減できた方々の事例を紹介します。
これらの事例から効果的な費用削減のヒントを得ることができるでしょう。
Aさんの事例:早期準備で250万円の節約
63歳のAさんは、55歳の時点で終活の準備を開始しました。
まず葬儀社と早期に契約を結んで墓地も事前に購入します。
また生前整理を徹底実施したことで、遺品整理費用を大幅に削減でき、結果として通常かかるであろう費用から約250万円の節約に成功しました。
Bさんの事例:公的サービスの活用で負担軽減
70歳のBさんは市の高齢者向け相談サービスを活用し、無料で終活プランのアドバイスを受けました。
また国民健康保険の葬祭費を申請することで、葬儀費用の一部を補助金で賄うことができました。
7.終活費用の管理と心の準備
終活は単に費用を抑える事だけが目的ではありません。
大切な家族・親族と共に自分らしい人生の過ごし方を考え、将来に準備する事が本当の目的です。
終活費用を抑える事に夢中になりすぎて、精神的に疲弊していくのでは意味が無い訳ですね。
精神面も配慮しつつバランスの取れた終活をおこなうのが理想的と言えます。
- 家族との対話を通じた希望の共有
- 人生の振り返りと感謝の気持ちの整理
- 残された時間の過ごし方の計画
終活費用の賢い管理方法
やはり計画的な資金準備なくしては、終活費用の効果的な管理は実現できないと言えるでしょう。
長期的な視点で終活資金を管理するようにしたいものです。
- 専用の終活資金口座の開設
- 定期的な積立の実施
- 終活保険の検討
- 資産運用による資金増加の可能性
これらの方法を組み合わせることで、無理なく終活資金を準備することができます。
総合的なサービスを利用すれば資金管理のアドバイスも受けられる点は確かに大きなメリットです。
それに対する費用面のバランス次第となりますので、将来的な計画管理が重要になります。
終活費用を抑えつつ、充実した終活を実現するために
自分らしい終活実現を心がけつつ、その費用を抑える事を同時進行させるため、以下のポイントを意識していきましょう。
- 本当に必要なものと省略可能なものを区別
- 自分でできることは自分で行い、専門家のサポートが必要な部分を見極め
- 家族や友人など周囲の協力を得て終活を共同作業化する
- 地域行政の制度サービスや互助会などの活用
終活は、費用を抑えながらも自分らしさを大切にする過程が必要になります。
賢い選択と適切なサポートを通じて、心豊かな準備を目指しましょう。