遺品整理業者についてのおさらい

現代における遺品整理業は、存在価値が高く大きく着目されている業者サービスの一つです。

では遺品整理業者および遺品整理士とはどの様な仕事なのでしょうか。

サービスの詳細を知る人が少ないのは、その様な業者と接触する機会自体が少ないので当然かも知れませんね。

遺品整理士について

まずは改めて遺品整理士について説明したいと思います。

遺品整理士とはご遺族に代わって遺品整理をおこなう代行業者の事です。

専門的な知識を持つ事はもちろん、故人への畏敬や感謝、ご家族への配慮を持って業務をおこなうプロフェッショナルです。

協会の養成講座で遺品整理の取り扱いや法的規制の知識を学び、認定を受けた人だけが遂行できる仕事になります。

遺品整理の資格を取得する方法

ちょっと話が逸脱しますが、遺品整理の資格は日本では国家資格ではなく民間資格を取得する形になります。

遺品整理の資格は「民間資格」

まず前提として遺品整理士などは法律で必須とされる資格ではありません。

  • 依頼者からの信頼性向上
  • 事業として行う際の信用・差別化
  • トラブル防止・法令理解

といった点で取得する価値が高い資格となっています。

以下に主要な遺品整理資格をまとめてみました。

代表的な遺品整理関連資格

★★★ 遺品整理士 ★★★
一般社団法人 遺品整理士認定協会が認定する資格
特徴
業界で最も認知度が高い ・個人でも法人でも取得可能 ・在宅(通信)講座のみで完結
取得方法
公式サイトから申し込み ・教材(テキスト)を自宅で学習 ・レポート提出
合格をすれば認定証が発行
期間
早ければ1~2か月で取得
費用目安
約3~4万円前後

★★★ 遺品整理アドバイザー ★★★
NPO法人などが運営する資格
特徴
基礎的な知識向け ・入門資格として取得しやすい ・比較的安価
こんな人向け
これから業界を知りたい ・副業・検討段階

★★★ 事件現場特殊清掃士 ★★★
遺品整理士認定協会の認定する資格
特徴
孤独死・事故死現場などを扱う ・遺品整理とセットで取られることが多い ・専門性が高い

ここまででわかるのは、資格取得自体は必ずしも難しいものでは無いという事です。

取得した知識を元にどれだけ「現場の経験を積んでいるか」が重要になってくる訳ですね。

さらに上記の資格を取得する場合、以下の資格取得も非常に重要になります。


関連サービスの展開に必要な資格

一般廃棄物収集運搬の知識
自治体の許可が必要(自社で取得不可な場合あり)
古物商許可
買取・リユースを行う場合は必須
トラブル対応力
相続・感情問題・近隣対応
保険加入
損害賠償保険など
※資格を有していても損害賠償責任を負うケースが実際に多いため

実際におこなう業務

以下が遺品整理士がおこなう主な業務です。

  • ①ご遺族にヒアリングをしながら個人が所有していたものを「必要なもの」「不要なもの」に仕分ける
  • ②片付けが済んだ後に部屋をキレイに掃除する
  • ③不要と判断されたものをご遺族に代わってリサイクル業者などに査定依頼する
  • ④不用品を搬出し、地域自体のルールに従った処分をする

この様な遺品整理士を中心に片付け全般をおこなう業者の事を遺品整理業者と呼びます。

ですので業者の中に1名以上の遺品整理士がいる事が望ましいとされています。

一番大変な時期に家族の支えになる

遺品整理は、家族が他界されて気持ちの整理がつかない中でおこなわれるものです。

特に葬儀後などは家族・遺族にとって一番体力や気力が落ちている時期と言えるでしょう。

そんな中、手間と労力がかかる遺品整理という大変な作業を、遺品整理士が遺族に代わって心を込めておこなう訳です。

遺品整理士は遺族にとって大きな助けと安心になりますし、そういった価値を提供できなければ遺品整理士とは言えません。

評価されるのは整理者の姿勢

実際に依頼した人から、以下の様な感想を頂く事があります。

「ここまでやってくれるとは思っていなかった」
「心を込めて丁寧に扱ってくれているのがわかった」
「私と一緒に寄り添ってくれているのがとてもありがたかった」

内容を見ておわかりかと思いますが、品物を裁く仕事ぶりが評価される訳では無く、その担当者の「姿勢」が評価される傾向にあります。

こういった声が多数上がる事が、遺品整理士の本文と言えるでしょう。

遺品整理業者に頼むメリット

遺品整理業者に頼むのには様々な利点・メリットがあります。その一部をご紹介しましょう。

遺族が前向きに生きる一助に

特に旦那さんが亡くなって奥さんが一人ぼっちになってしまった場合に、この遺品整理士が一緒になって片付けをしてくれる事が大きな「心の支え」になる場合があります。

それが仮に一時的なものであっても、その時に支えられた事・寄り添ってくれた事は遺族の心に大きく残ります。

それにより落ち込んでいた日々から抜け出して、その後の人生を前向きに生きる糧になる場合があるのです。

「供養」の意味で整理する事で負担を軽減

個人が残した品物が気になってしまい、なかなか片づけに手を付けられなかったりする場合があります。

そんな時整理業者が代わりに整理をする事は一つの「供養」になりますし、残された人の心身の負担を減らす効果にもつながります。

物理的な問題解消に

他にも親族が遠方に済んでいて片付けに出向けない場合や、遺族が足腰が悪くて一人ではとても片付けする事はできないなどの事情があります。

こういった物理的な障害も、遺品整理業者へ依頼する事で解決します。

遺品整理業者に実際に依頼をするには

では遺品整理業者に実際依頼をしようとする場合、どうすれば良いのでしょうか。

ネットで検索をするとわかる通り、遺品整理や生前整理を業務サービスとする会社はとても増えています。

たくさんあり過ぎてわからなくなりますし、検索の一番上にあるから信頼できるとは限りません。

それは信用できない会社も絶対数的に増えている事を意味しているのです。

信頼できる業者を見極めるコツをご紹介しましょう。

まずは知人の紹介・それ以外なら複数社で見積り

知り合いに聞いて、自身が頼んですごく良かったという業者(或いはサービス)がいれば、そこを紹介してもらうのが一番だと思います。

利用されたお客様からの紹介ともなれば、紹介を受けた側も下手な事はできませんしね。

仮にそういった知人がいない場合は、自力で探す事になります。

複数の業者に見積を出す

基本的には何社かに「やって欲しい内容と範囲や条件」を一通り提示して、見積もりをお願いする事になります。

つまり業者に問い合わせる前に、完成形をある程度イメージしておく必要がありますね。

その中で信頼しうる内容と見積もり金額を提示した業者に依頼するのがセオリーです。

※検索ページの上にいれば信頼できるという尺度だと、判断を誤る場合がありますので注意です。

遺品整理業者を見極める

「遺品整理士」は遺品整理士認定協会が認定するきちんとした資格です。

遺品整理を頼む際は、この遺品整理士が在籍する会社に依頼する様にしましょう。

複数の会社に問い合わせする際、見積金額やサービス内容と同じくらいこの「遺品整理士がいるかどうか」が重要になるのです。

これらの業者は遺品整理のプロでありながら、廃棄物処理や解体業、古物買取業などの複数の関連資格も有している場合があります。

つまり遺品整理の面以外に処分面で必要な資格もセットで有する事で、一括サービスが展開できる訳ですね。

業者にいろいろ聞く事がコツ

こういった関連する資格を有していれば、業務間ネットワークによる効率よい対応が期待できる事が多いでしょう。

しかし初めての依頼の場合、どの様な資格と業務が必要なのかはこちらにはわかりません。

思い切って業者に色々聞いて、それぞれ必要分野を確認して片づけの方針に合う業者を選んだ方が良いです。

あなたに色々教えてくれる誠意ある業者か

遺品整理時の費用は、まずは処分する「ごみの量」で変わる事でしょう。

さらにそれ以外にも、整理する場所の「立地」や「間取り」整理する「部屋の広さ」によっても変わってきます。

もちろん量や広さごとに「相場」というものが設けられていますが、それも業者によってまちまちです。

複数の業者に見積もりをお願いして、費用よりも誠意を持って対応してくれる業者かどうかで選ぶべきです。

業者依頼にいろいろ聞く事になる訳ですから「知らない事を丁寧に教えてくれる業者」で判断するのが良いかも知れません。

事例紹介:Wさん50代女性のエピソード

ここで実際に複数業者から見積を取って遺品整理を依頼した、50歳女性のエピソードをご紹介します。

突然の事故で夫が亡くなる

60代半ばの夫が事故で亡くなりました。突然の事でありしばらくは呆然とする毎日でした。

しかし数カ月たって20年近く空き家のままになっている夫の実家の事を思い出します。

夫がいない以上、何とか自分で処分をするしかありません。

夫の父母の実家は一軒家で荷物がかなり多く、特に思い入れが無かった事もあって、遺品整理士に依頼する事にしました。

夫が大切にしていた家

見積もり算出のためその実家を訪れましたが、長いこと空き家だったのにもかかわらず建物はほとんど劣化していませんでした。

家の中もきれいに片づいていて、大変残念ですが夫がそれだけ気にかけていたのだとあらためて実感しました。

複数業者に見積依頼

5つの業者さんに見積もりを依頼しました。

その中で実に様々な遺品整理士さんがいる事を知りました。

いかにも大きな荷物を運べそうなガタイの人もいましたが、実質体格はあまり関係ないかも知れません。

見積もりが驚く程安い業者や逆にかなり高額な費用を提示する業者もいて、何が正解なのか正直困惑しました。

できれば出費は抑えたいのが正直なところです。

しかし夫の遺志を継ぎたいと思いましたので、値段ではなく第一印象が良く丁寧に質問に答えてくれた業者に依頼する事にしました。

決め手は心証の良さとスーツ

その業者は電話応対の時から感じが良くて、見積もりにスーツ姿で来てくれました。

この辺りがやはり信頼できるポイントでし、そういったところで判断して良いと思います。

当初の印象通りにスムーズに片付けが進行し、きちんと整理をする事ができました。

遺品整理業者選びにはトラブルもつきものだと聞いた事があります。

見積もりを出してもらう業者はなるべく複数にし、心証の良い業者にお願いするべきだと改めて思いました。