生前整理を楽しむという考え方

処分すれば身も心も軽やかになるための生前整理

長年使用した家財道具を捨てる・捨てないに分けるのは、非常に難しい作業ですよね。

自分が元気なうちに、不要と思う品はなるべく処分しておきたいのが心情です。

しかし実際は不要かどうかを判断しかねる品ばかりで、実際のところ本当に厄介です。

ですがはっきり言える事として、「処分すれば身も心も軽やかになる」のは間違いありません。

その意味で生前整理を楽しむ、さらにそれによる新しい生活を楽しむ事が大切です。

生前整理はこれからのため

ポイントは、生前整理とは「自分の死後のために整理する作業」では無い事です。

あくまで「これからの生活のための整理」という位置づけであり、懐かしい思い出を呼び起こしながら一つ一つ整理していける楽しい作業といえるでしょう。

一つ一つの品には思い出がありますから、それらを手に取る事でそれにまつわるストーリーが思い起こされます。

いわばその品に触れる事が、人生の振り返りになる事でしょう。

そういった感覚をプラスに感じながら進める事で、楽しみながら生前整理を進められるはずです。

生前整理の2つの課題

生前整理をイメージすると、一番思い浮かぶのが以下の2つではないでしょうか。

  • 「必要なもの・不必要なものがわけられない」
  • 「大切な思い出まで捨てる様で気が引ける」

生前整理の必要性はもちろん理解しているはずですし「やっておかないといけない時期」が必ず訪れます。

しかし生前整理は何となく暗いイメージが根底にあるせいか、ぐっと気を引き締めて意識して実行しないとなかなか進まない作業なのですね。

必要なもの・不必要なものがわけられない人へ

一定のルールとなる「物差し」を作る

これからの快適な生活の為にも、なるべく不用品に関しては処分しておくべきだと思います。

しかし長年使用した家財道具や衣類、思い出の深い品などを、単純に不要・不必要と判断するのは難しいでしょう。

そこで一つの物差しとなるのが

  • 「長い間使用していないものはどんなものであっても捨てる」
  • 「なくても生活に支障はないものはどんなものであっても捨てる」

という明確な条件を念頭において、選別していく事です。

自分の心に聞くのではなく、ある程度明確なルールを決めて実施する事が大切です。

そして「なるべく残していく」方向ではなく、「なるべく捨てていく」方向に傾きながらがコツではないでしょうか。

財産をまとめるのは必須です!

自分の財産はどんなものであっても必ず必要です。ここは家財道具や思い出の品とは別物です。

金融資産や不動産などの重要書類を集計し一覧表に残しておく事、これは生前整理の中で一番大切な作業です。

借入金や債務保証の内容なども、相続される「マイナスの財産」となりますので、きちんと集計が必要です。

残された家族の負担を減らし、相続トラブルにならないためにも、きちんとまとめておきたいものです。

モノを処分すると思い出が無くなってしまう心配をする人へ

一番難しいのは思い出の品の整理ではないでしょうか。

家族のアルバム写真・記念品、お土産物など、長い人生ですからたくさん出てくるものです。

ですが、ご本人が使用していないものは基本的にそのご家族も使用する事は無いと思ってください。

そこで「段ボールに収まるまで整理する」などのルール設定が良いのではないでしょうか。

品物を選定するのではなく「段ボール2箱・3箱が満杯になる様に入れる」事にシフトして整理を進めるのです。

最初からそう決めておけば、その段ボールを埋めるためどんどん入れていくので、自然と物を捨てる事につながります。

写真などに残しておく

一つのコツとして、思い出の品をそれぞれ「写真撮影して保存しておく」と、それ自体を捨ててしまってもいつでも思い返す事ができます。

写真を見返せば、もの自体を処分しても思い出自体は無くなったりしません。

自分の人生のパーツパーツを構成したそれぞれの要素は、それを見る事でいつでも思い起こすことができます。

写真で画像保存しておく手段は非常に有効だと思います。

ですので例え思い出深いものであっても「必要」か「そうでない」かに悩む場合は、思い切って捨てて下さい。

それを捨てるという行為自体が、一つ人生のステップアップにもなるのです。