自分が亡くなった後の事についてなるべく残った遺族には迷惑をかけたくないと考えいる方は多くいます。
そこで自分が生きている内に、元気なうちに「生前整理」をしようと思うわけですが、いったい何をすべきなのかわからない方も多くいると思います。生前対策には適切な処理が大変重要です。このページではそんな時に役に立つ生前対策について解説します。
遺族が困らないように行う対策
遺族に渡す遺言書の作成
遺言書は、自分が亡くなった後も自分の意思を示すための大事な書類です。
遺言書があれば、自分の死後に自分の財産を誰にどれだけ残すかを予め決めておくことができます。 たとえ遺族だけの話し合いで問題が生じたとしても、遺言書によって自分の想いを伝えることで残された遺族に理解・納得してもらえることに繋がります。遺言書が無い場合、相続トラブルの原因になるケースもあり、遺族の負担増になる事がありますので生前対策をする際は遺言書を作成する事がおすすめです。
作成の際には財産の種類や家族関係のことも含めて、慎重に内容を吟味する必要があります。
遺言書の保存方法
- 防湿性と耐火性のある場所: 遺言書は、湿気火災から守るために防湿性と耐火性のある場所に保管しましょう。防湿ボックスや防水ファイル、防火金庫などが適しています。
- 家族や弁護士に知らせる: 遺言書の存在を家族や信頼できる友人、弁護士に知らせておくことが重要です。突然の事態に備えて、どこに遺言書が保管されるかを誰かが知っている大切です。
- コピーの作成:遺言書コピーを複数作成し、複数の場所に分散して保管することを検討しましょう。電子コピーも作成し、オンラインのクラウドストレージに保存することも一つの方法です。
- 更新の確認: 遺言書は変更があるたびに更新する可能性があります。 定期的に遺言書内容を見直し、変更が必要な場合には適切な手続きを行って更新しましょう。
もしもの時の為に後見人も決めておく
人間の死はいつ訪れるかわかりません。健康面でなんら問題が無くても不慮な事故やあるいは認知症の様な精神的疾患で、物事の正常な判断が下せなくなる事もあります。そんな時の為に生前対策として後見人を決めておく事もおすすめです。
後見人とは:認知症・知的障害・精神障害などの理由で判断能力が不十分になった方を保護、支援する制度です。後見人には身近な親族を選任することが望ましいですが仮に親族でなくてもなる事が可能です。
後見人がいない場合困る事
・銀行預金を引き下ろせない、定期預金を解約できない
・自宅を売却できない、賃貸に出せない
・株式など資産の整理、処分ができない
・生前の相続対策ができない
など、色々な制約がかかります。後見人がいれば本人に代わって契約を交わす権利が与えられるため、財産を適切に管理できます。
後見人は家庭裁判所で決められる
後見人の取り決めは本人の住所地のある家庭裁判所に対して後見等開始の申立てを行い決めていきます。申立てを裁判所が受け付けて審判が下るまで約1ヶ月~2ヶ月ほどかかります。
生前対策とは財産整理を行うこと
遺品整理の際の財産には貯金・不動産・貴金属・自動車・有価証券・金銭債権などのプラスの財産のほか、借金や税金などのマイナスの財産も相続対象に含まれます。その為、借金や債務の存在に気付かないまま遺族が故人の財産を相続してしまうと、後々金銭トラブルに発展します。
生前対策では、借金や債務も含めた財産を適切に把握し、処理することを心掛けましょう。
財産整理の手順
- 財産リストの作成: すべての財産を詳細にリストアップします。不動産、金融資産、車両、貴重品の財産やマイナスの財産も含め、すべての資産を徹底的に記載しましょう。
- 整理と整頓: 不要な資産や物品を整理します。 使わなくなったものや必要のないものは、売却や処分を検討しましょう。
- 保険の見直し:生命保険や医療保険などの見直し、健康や将来のリスクや保証に備える計画を立てます。
- 専門家のアドバイスを受けて: 弁護士や税理士、司法書士などのアドバイスを受けながら、適切な財産整理の計画を立てます。
財産が多い場合には税金に注意
遺産相続の際に発生する税金は、相続する財産の価値に比例します。特に非常に多くの財産を相続する場合は、その税金も膨大になるため、節税対策の重要性が増します。既に多くの財産を持っており、それを遺族へ相続することを決めている方は、あらかじめ対策を考えておきましょう。
また相続税は法改正の影響で支払う税金の金額や、課税の対象になる資産額の範囲が変わることもあります。以前は有効だった節税対策が、現在では使えなくなることもあるため、常に最新情報の確認が重要です。
生前対策は士業の力を借りることがおすすめ
生前対策には税金の問題や遺族間でのトラブル、法律などもかかわってくる場合があり、自身で進めようとしても困難な場合があります。そのような場合には専門の士業の方の力を借りる事がおすすめです。生前対策に役立つ専門家とサポートできる内容について解説します。
問題に対処してくれる「弁護士」や「司法書士」
弁護士や司法書士は法律の専門家です。
司法書士は不動産の相続登記などについて相談できます。司法書士にはトラブルのない相続に限り、相続手続き全般について相談することも可能です。また弁護士では相続全般について相談できますが特にトラブルの発生している相続については、弁護士への相談がおすすめです。
遺産の処理について相談できる「税理士」
遺産を相続する際には税金がかかりますが、相続税の計算は複雑で難しく、財産の相続税評価額の計算や特例制度の適用では専門的な知識に加えて経験も必要になります。
そんな時は税理士に生前対策を依頼すれば、税負担を減らしながら資産を承継できる利点があります。
また税理士には他の士業と違い相続全体を管理してくれるという利点もあります。税理士に依頼する事で相続財産すべてを把握し、その中で使える制度をすべて適用してくれるため確実な節税対策が期待できます。
まとめ
生前対策はなにかと時間がかかり短時間で終わることはほぼありません。生前対策には遺書の作成や遺産相続に向けての話し合いなど、時間と手間、専門的知識も必要となる事があるため、なるべく早めの内にまた自分が健康な間に準備しておくことがおすすめです。もし既に健康面に不安がある場合は、後見人を決め周囲のサポートを得るようにしましょう。
関連サイト:遺品整理エコタス福岡